079616 ランダム
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クリスタルのかけらに眠る勇者の心

クリスタルのかけらに眠る勇者の心

フェティッシュ 

作者とタイトルから、とんでもない奇々怪々なフェチなキャラクターが入り乱れるストーリーを想像していたが、それは裏切られた。
 ここに登場するのは、人に触れられると仮死状態になってしまう完璧な美しさを備えた美少年と、彼と出会ってしまったために墜ちていってしまう人達だ。
 ミステリなのか、と思えばそうでもないし、犯罪小説でもない。哀しい人が墜ちていく話で、救われる人物は一人もいない。
 この作者は時々こうした「暗く救いのない」話を書くが、そのような話も好きだ、という方にはお勧めするが、はちゃめちゃが好き、タックとタカチのような青春と愛を求める方には不向き。
 「方舟は冬の国へ」のラストで、いい話や、とうっとりした後の本作は、かなり強烈だ。


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